研究会開催履歴

災害産業保健研究会は2021年1月31日の第1回研究会をもってスタートしています。厚生労働科学研究「災害時等の産業保健体制の構築のための研究」研究代表者:立石清一郎(H30-労働-一般-007)で得られた成果知見の報告と自治体支援の事例検討を行っています。ここから、産業衛生学会の正規の研究会を目指すべく、日本産業衛生学会および全国協議会開催時と研究会独自の開催日の研修会を継続的に実施しています。

第1回研究会

 2021年1月31日オンライン開催。第1回研修会は研究班の発表がメインで行われました。災害産業保健という言葉がメジャーではなかったこと、コロナ禍であり参集が難しい状況であったことなどから、一般演題の募集は行わず、第一部成果発表会、第2部研修会というスケジュールで実施しました。第1部63名、第2部42名の参加でした。 

【第1部 成果発表会】

  1. 開会のあいさつ(立石)
  2. 災害時に産業保健職が果たす役割、産業保健マニュアル:立石 清一郎
  3. 災害時の産業保健事前準備、事前準備アクションチェックリスト:森 晃爾
  4. 災害時に求められる産業保健職のコンピテンシーについて:吉川 悦子
  5. 自治体職員の産業保健:劒 陽子
  6. 災害時の既存チームの役割と産業保健チームの連携~:久保 達彦
  7. 医療機関の災害時の産業保健:中森 和毅
  8. 災害時のメンタルヘルス(セルフチェック、スクリーニングから面談技法):真船 浩介
  9. 新興感染症発症時の産業保健の考え方:鈴木 克典
  10. 災害時のリスクコミュニケーション(放射線教育と不安の関係性から):岡﨑 龍史
  11. 第1部終わりのあいさつ(森)

【第2部 災害時の産業保健派遣チームの活動】

第2回研究会

 2022年5月26日に第95回産業衛生学会(高知)に併せて開催されました。新型コロナ感染症対応について国家公務員の立場から寺谷俊康先生が国の対策本部の運営から自治体の応援まで幅広く解説してくださりました。保健所長の立場から劔陽子先生が、保健所の活動及び職員の負担について解説してくださりました。コロナ禍でもあり現地参加20名程度でしたが活発な議論がなされました。

第3回研究会

2022年9月30日に第32回日本産業衛生学会全国協議会(札幌)に併せて開催されました。新興感染症発生時の産業保健職の対応について複合式のグループディスカッションを実施しました。新興感染症流行時における、リスク評価は複眼的で難しいことを踏まえ、どのような着地点を見いだすことが必要か、について熱心なディスカッションがなされました。おおよそ100名の参加でした。

ケースディレクター:吉川悦子
ファシリテーター:森晃爾、吉川徹、立石清一郎、五十嵐侑、井上俊介、安部ひとみ

第4回研究会

日 時:2023年5月12日(金) 15:00-16:00(予定)
会 場:第6会場(ライトキューブ宇都宮 1F 小会議室101)
内 容:
1. 化学工場での災害対応経験 
 演者:井手宏(三井化学 人事部 健康管理室 副室長)
2. 海外視察報告 〜危機事象発生時労働者の健康確保の観点から〜 
 演者:五十嵐侑(産業医科大学 産業生態科学研究所災害産業保健センター 講師)

ウェブも含め39名の参加者がありました。
工場爆発時には、ニーズを把握することが容易ではなく、自ら探しに行くのみならず関係者が気が付いて相談に来てもらえるような方法として「顔を見て顔を見せる」活動の実践が印象的でした。
海外は危機管理対応時に労働者の健康確保のための制度が当然のようにあることが発表されました。日本にも災害産業保健を実装させることの必要性が示されました。

第5回研究会

日時:2023年7月1日(土)14時〜17時(予定)
場所:産業医科大学産業生態科学研究所東棟4階*ハイブリッド開催
テーマ:新型コロナウイルス感染症による労働者の負担
基調講演:
劒陽子「自治体保健所の現状」

一般演題:
立石清一郎 災害発生時の自治体職員特有の産業保健上の特性
五十嵐侑  新型コロナウイルス感染症に対応した自治体職員の心理的影響の調査 
平良素生  某化学工場における

災害への備えとして全体討論

第6回研究会

日 時:10月28日(土)14:00-15:00
会 場:自由集会/委員会会場(YCC県民文化ホール 3F 練習室2)
内 容:COVID-19の罹患後症状(いわゆる後遺症)の事例検討
参加フォーム
https://forms.office.com/r/f9wMTcPiXA